(えどじだい)

レベル1 (初級)
昔の日本
江戸時代は、日本の歴史の中の一つの時代です。
1603年に始まりました。
1868年に終わりました。
とても長い時でした。250年以上続きました。
この時、日本は今とちがいました。
車はありませんでした。
電車もありませんでした。
人々は歩くか、馬に乗りました。
日本のリーダーは天皇ではありませんでした。
本当のリーダーは将軍でした。
将軍は強い人でした。軍を持っていました。
将軍の仕事は、日本の平和を守ることでした。
首都・江戸
将軍は江戸という町に住んでいました。
今の東京です。
江戸は大きくて、にぎやかな町になりました。
たくさんの人が住んでいました。
店や家、お寺がありました。
侍もいました。
侍は兵士でした。
特別な服を着て、刀を持っていました。
侍は将軍のために働きました。
戦争がなくなった
江戸時代の前は、たくさんの戦争がありました。
人々は、土地や力のために戦いました。
でも、江戸時代には平和がありました。
将軍はきびしい規則を作りました。
人々は戦ってはいけませんでした。
日本はしずかで安全な国になりました。
農民は米を作りました。
商人は物を売りました。
職人は靴や壺などを作りました。
人々は仕事をして、家族とくらしました。
かんたんな生活をしていました。
外国人はいなかった
江戸時代、日本は国の門を閉めました。
外国の人は、日本に来ることができませんでした。
日本の人も、外の国に行けませんでした。
将軍は、日本を守りたかったのです。
でも、オランダ人と中国人だけは来ることができました。
長崎の近かくの小さい島に住みました。
その島の中だけで、商売ができました。
島から出てはいけませんでした。
この時を「鎖国」と言います。
芸術と文化
生活がしずかだったので、人々は芸術をたのしみました。
絵をかいたり、木版画を作ったりしました。
それは「浮世絵」とよばれました。
人や自然、おもしろい場面を描きました。
「歌舞伎」もありました。
歌舞伎は日本の劇です。
俳優は大きな衣装と化粧をつけました。
ステージの上でおどったり、演技をしたりしました。
人々は歌舞伎が大好きでした。
本も人気がありました。
人々は短い話や詩を読みました。
おもしろい話もありました。
かなしい話や恋の話もありました。
江戸の終わり
1800年代になると、日本はかわり始めました。
外国の船が来るようになりました。
ある日、アメリカの船が来ました。
日本と話したり、商売したりしたかったのです。
日本は国の門を開けなければなりませんでした。
1868年に江戸時代は終わりました。
将軍は力を失いました。
天皇がまたリーダーになりました。
そして新しい時代が始まりました。
それは「明治時代」とよばれます。
なぜ大切か
江戸時代は大切な時です。
平和の時でした。
日本が強くなることができました。
今の日本文化の多くは、この時に始まりました。
今でも人々は歌舞伎を見ます。
浮世絵もたのしまれています。
東京には、江戸の昔の道が残っています。
江戸時代は、日本の大きな物語の一部です。
レベル2 (中級)
江戸時代のくらし
平和の時代
江戸時代は、1603年から1868年まで続きました。この時代は、長い戦いのあとに来た平和な時代でした。日本は、将軍という強い軍事のリーダーに支配されていました。天皇はまだいましたが、本当の力はあまりありませんでした。最初の将軍は徳川家康で、徳川幕府を始めました。
将軍は国を守るために、多くの決まりを作りました。この決まりは、平和を作りましたが、人々の自由を少なくしました。たとえば、人々は自由にほかの地域に行くことができず、外国とのつながりもとても少なくなりました。
町での生活
江戸時代には、町が大きくなりました。中でも江戸(今の東京)は、とても大きな町になり、政治の中心になりました。
江戸には、にぎやかな通りや店、市場がありました。人々は、米や魚、着物などの生活に必要な物を買いました。夜になると、町には紙の提灯の明かりがともりました。レストランや、休める場所もたくさんありました。人々は、音楽や踊り、カラフルな衣装がある歌舞伎を見るのが好きでした。
四つの身分
江戸時代の社会には、四つの大きな身分がありました。侍、農民、職人、商人です。
侍は戦いのための身分で、将軍や大名に仕えていました。かれらは名誉を大切にする決まりを守っていました。多くの侍はもう戦いませんでしたが、社会の中では高い身分でした。
農民は、米などの作物を育てる人々でした。食べ物はみんなにとって大切だったので、農民は社会にとって重要でした。でも、重い税金を払わなければなりませんでした。
職人は、道具や着物、焼き物などを作る人々でした。かれらの仕事はとても役に立ち、尊敬されていました。
商人は、物を売ってお金を稼ぎました。お金持ちになる人もいましたが、自分では何も作らないので、一番下の身分と考えられていました。
それぞれの身分には、決まった場所があり、簡単には変えることができませんでした。
文化と学び
日本は外国との関係を閉じていましたが、江戸時代にはたくさんの文化が発展しました。人々は俳句や、浮世絵という木版画、お茶の文化を楽しみました。お金持ちも、そうでない人も読むことができる本や物語も増えました。
教育も広がりました。多くの子供たち、特に男の子は寺子屋に通い、読み書きやそろばんを学びました。家によっては、女の子も学校に行きました。
外国をしめ出す政策
とうじの日本のリーダーたちは、外国の考えが問題になると心配していました。そのため、日本は外国との貿易や旅行をほとんど禁止しました。オランダ人と中国人だけが、長崎の港で少しだけ貿易を許されていました。
日本人も、海外に行くことはできませんでした。行ってしまった人は、帰ることができませんでした。この政策は「鎖国」と呼ばれ、200年いじょう続きました。
江戸時代の終わり
1850年代になると、外国の船が日本に来て、貿易をしたいと言いました。中でも有名なのは、1853年に黒い蒸気船で来たアメリカ人、ペリー提督です。かれは、日本に門を開くように言いました。
そのあと、将軍の力は弱くなりました。1868年には、天皇がふたたび日本のリーダーになり、日本は近代化を始めました。これが江戸時代の終わりであり、明治時代の始まりです。
思い出すべき時代
江戸時代は、日本の歴史の中で特別な時代でした。平和があり、文化が強く、そして決まりも多い時代でした。今でも、江戸時代の伝統や考え方は、日本の生活に大きな影響を与えています。
レベル3 (上級)
江戸時代:平和、権力、そして鎖国
1603年、日本は新しい時代に入りました。この時代は「江戸時代」と呼ばれ、現在の東京である江戸という都市の名前に由来しています。江戸時代は1868年まで260年以上も続きました。この間、日本は天皇ではなく、将軍と呼ばれる強力な武士によって支配されていました。
江戸時代の初代将軍は徳川家康です。彼は長い戦国時代の混乱を終わらせ、日本を統一しました。支配を維持するために、彼は厳しい身分制度を築き、各地の大名に忠誠を求めました。大名はそれぞれ領地と軍隊を持っていましたが、徳川幕府の定めた規則に従わなければなりませんでした。また、大名たちは一年おきに江戸に滞在するよう命じられ、それによって将軍は彼らを監視することができました。
徳川の統治下で、日本は安定し、平和になりました。戦争が減ったことで農業や商業が発展し、人々の生活は向上しました。江戸、大阪、京都などの都市は急速に発展し、人口も増加しました。また、身分は低いものの、商人たちは経済的に豊かになっていきました。
江戸時代の社会は、武士、農民、職人、商人という四つの主要な身分で成り立っていました。一番上は武士で、大名に仕える戦士でした。しかし平和な時代になると、多くの武士は戦う機会を失い、役人や教育者へと変わっていきました。農民は食料を生産することから尊敬されていましたが、重い税を課せられていました。職人は道具や衣服などを作る仕事をし、商人は物を売ることで富を得ましたが、物を直接生産していなかったため社会的地位は低く見られていました。
この時代、日本の文化は大きく発展しました。劇場が建てられ、華やかで感情的な演劇である歌舞伎が人気を集めました。浮世絵と呼ばれる木版画は、日常生活、有名な役者、美しい風景などを描き出しました。俳句という短い詩も流行し、自然の美しさや人の感情をわずか数行で表現しました。
江戸時代を特徴づける重要な政策のひとつが「鎖国」です。1630年代から、日本はほとんどの外国との関係を断ち、国を閉ざしました。日本人が海外へ行くことは禁止され、外国人の入国も厳しく制限されました。例外として、中国人とオランダ人だけが長崎の港に限って貿易を許されていました。キリスト教は禁止され、国外の情報も厳しく統制されました。
このような鎖国政策は、日本を植民地化から守り、日本独自の文化を発展させる助けとなりました。しかし一方で、技術や産業の面では、西洋諸国に遅れをとることにもなりました。
1800年代の中頃になると、状況は変化し始めます。西洋諸国は日本との貿易を望むようになりました。1853年、アメリカのペリー提督が率いる軍艦が日本に来航し、港の開放を要求しました。徳川幕府はこの圧力に抵抗できず、開国を余儀なくされました。さらに、国内の不満や改革への圧力も高まり、江戸時代は終わりを迎えることになります。
1868年、将軍は政権を失い、天皇が再び国家の中心に戻りました。この出来事は「明治維新」と呼ばれ、日本の近代化の始まりを示す大きな転換点となりました。
江戸時代は、平和と文化の栄えた時代であり、厳格な社会秩序の中で日本独自のアイデンティティが育まれました。世界から隔離されていたにもかかわらず、その精神や文化は、いまの日本にも強く影響を与え続けています。
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